伝統構法で建てられた住宅は、何故いまだに残っているのだろうか。
今、日本の住宅寿命は30年と言われています。イギリスの住宅寿命は144年、アメリカは103年です。メンテナンスを怠らずにしていけば、50年、100年、200年と代々受け継いでいける家となります。
しかしながら、現在、木造住宅の主流となっている構造材(家の骨部の材料)はと言うと人工乾燥材(強制乾燥材)です。本来の木材の乾燥のさせ方は天然乾燥(自然乾燥)となっております。
なにが違うのか?天然乾燥は、野外で自然の風で乾燥させた木材。自然に乾燥をさせているので木が本来もつ成分を逃がすことなく乾燥させているもの。一方、人工乾燥は、乾燥機(乾燥釜)に入れ強制的に乾燥させたものです。その為、木の持っている大事なリグニンや油分が、水分と一緒に抜けてしまいます。木は伐られてから100年、200年と強度を増し、800年、1000年かけて劣化していくものですが、強制乾燥をされた木は 乾燥釜から出た時が一番強度が強くて、その時からもう劣化が始まります。その為、長持ちしない木になってしまいます。
30年後にはどうでしょう。このままでは、未来の子供たちにつけを残していくようなもの。
今から少しづつでも本当の木のコトを知って頂いて、国産材を使うようにして、今後の日本の山を元気にしていければと思っております。
一般社団法人古材リユース推進協会富山支部
支部長 笹川 征一